正しい持ち方と姿勢で練習しよう
ペンの正しい持ち方を、握り位置の説明が分かり易い鉛筆で説明します(※上画像参照)。ボールペンなどの場合も、ほぼ同様です。
まず、握り位置は、削り際からやや上のあたり(1センチくらいまで)を軽く持ちます。ペンの上を持ちすぎたり、下を持ちすぎたりしてもいけません。
人差し指がやや先に出るようにし、ペンの軸が第2~第3関節につくように握ります。
親指と人差し指が重ならないように、離して持ちましょう。
親指が上にきていたり、人差指と親指が重なってしまっていたりする方がいますが、人差指と親指の位置が正しくないと、文字のはらいなどがうまくできないので、正しい持ち方に直しましょう。
あまり力を入れすぎず、掌をあけるように、指を折りすぎずに握ります。小指は軽く紙につけるようにして下さい。ペンはたてすぎても寝かせすぎてもいけません。
ペンの持ち方が正しくないと、字形を美しく整えることが困難で、癖字の原因にもなります。
字の練習をする前に、まず、ご自身のペンの持ち方を見直しましょう。
とはいえ、ペンの持ち方は今までの習慣ですので、急に正しい持ち方に直すことはなかなか難しいかと思います。
今まで書いていた字形が思うようにかけず、違和感や若干のストレスがあると思いますが、これはペン字練習の基本中の基本ですので、慣れるしかありません。
どうしても正しい持ち方が出来ない、持ちづらいという方は、持ち方矯正用のグリップが販売されていますので、そちらを試してみてください(滑り止め用のグリップでは意味がありませんので、ご注意下さい)。
書くときの正しい姿勢
美しい字を書くには持ち方も大切ですが、正しい姿勢で書くことも大切です。
それにはまず、背筋を伸ばして姿勢を正しくし、常に正しいペンの持ち方で字を書くということを基本姿勢として覚えておきましょう。「姿勢」と「持ち方」のどちらが欠けてもきれいなペン字は書けません。
また、姿勢が悪いと、字がゆがんだり、字のバランスを崩してしまいますので、注意してください。
では、具体的に字を書くときの正しい姿勢についてご説明していきます。
まず、適度に力を抜き、背筋を伸ばし、深めに椅子に腰を掛けます。完璧すぎる正しい姿勢では体が硬くなりすぎますので、適度にリラックスした状態を心掛けると良いと思います。
次に机と椅子との位置関係ですが、机からこぶしひとつ分(7センチ程度)、椅子の背もたれからも同じ程度離れて座りましょう。
肘をつくと、姿勢が悪くなりますので、利き手ではない方の手は、紙に添えるようにしてみて下さい。
紙の配置場所は、右利きの方であれば、体の中心から右へ10センチ~20センチ程度の位置で書くようにしましょう。
よほど大きな紙でなければ、紙の中心とおへその中心を揃えるように紙を配置すると、だいたいの中心の位置は揃います。
最初のうちは、字を書き進んでいく際に紙を右へずらしていくようにして、常に同じ位置で書くようにしてみてください。
そうすることで、次第にペン字を練習する際の「自分に合った基本姿勢」が身についてくると思います。
正しい姿勢とペンの持ち方が雑だと以下のような弊害が考えられます
- 文字のバランスや美しさの低下
正しい姿勢や持ち方を意識せずに練習していると、文字のバランスが悪くなりペン字の美しさが失われることがあります。特に長時間練習を続けると、姿勢が崩れたり、筆圧が安定しなくなることで文字が乱れやすくなります。 - 筆圧のコントロールが難しくなる
筆圧が一定でないと、文字の太さや濃淡が均一でなくなり、ペン字の質感が損なわれることがあります。筆圧の調節はペン字練習での重要ポイントですので、常に意識するようにしましょう - 手首や肩の負担増加
間違った姿勢や持ち方で練習を続けると、手首や肩に無理な負担がかかることがあります。これによって疲労が早まり、長時間の練習が難しくなる場合があります。 - 継続的な矯正が難しくなる
矯正が遅れると、正しいペン字を身につけるまでの時間が長引いたり、修正が困難になる可能性があるので注意が必要です。