ウェディングプランナーの歴史はまだ浅く、職業として広く認知されてから、実は十数年しか経っていません。しかし、勿論それ以前にも挙式という仕来たりはもちろん存在していました。
ウェディングプランナーの歴史を語る前に、まずは日本における挙式の歴史についてみていくことにしましょう。
尚、ウェディングプランナーの歴史には、挙式スタイルとの関連性もあるので、そちらもぜひご参照いただければと思います。
挙式の歴史~ウエディングプランナーの誕生まで~
挙式(婚礼)が一般化
ブライダル専門式場などでの挙式が一般化され始めたのは、明治時代の中ほど。当時の皇太子(後の大正天皇)のご成婚の際に、神前式で行われたのが始まりといわれています。
それまでの婚礼の儀式は、「家庭婚」と呼ばれる挙式形式で、親族を家に招くという形が広く一般的でした。現在のように華やかなドレス(衣装)ではなく、全てが和装で行われていたそうです。
この皇太子のご成婚をきっかけに、全国で一般市民のための結婚式が広まっていくようになり、大正時代に入ってからは、料亭の一室や旅館などで婚礼を行う人が増えてきたのです。
ついに結婚式場がオープン!
時代が昭和に移り、明治記念館・八芳園 ・椿山荘が結婚式の専門式場として誕生したのをきっかけに、全国各地で結婚式場がオープンしました。
この頃になると、少しずつカップルのニーズも多様化し、それに伴って、挙式スタイルや式会場内も変化し始めます。ウェディングドレスでの挙式を行うケースも徐々に増えてきました。
ブライダル産業がその人気と共に競争激化
1970年代に入るとブライダル産業は一気に加速の時期を迎えます。
それまで行われていた挙式形式に少しずつ変化がみられ、披露宴において奇抜なアイデアも生まれるようになりました。今では定番の『キャンドルサービス』もこの頃に発案されたといわれています。
また、ホテル内に専用のチャペルが設置されるなど、以降のブライダルにおける基盤が確立しました。
このようなニーズの移り変わりによって、ブライダル企業側でも『オリジナリティのあるプラン』を提供する必要性が生まれてきたのです。
そして各ブライダル企業においても、個性を尊重したウエディングを演出できる人材の育成に力を注ぎ始めるようになりました。
こうした経緯の中で、生まれたのがウェディングプランナーなのです。現在ではその名称も広く一般化されましたが、この呼称は各施設・企業によって様々です。
しかし、挙式を演出するという内容に違いはなく、また、求められるサービスも多種多様なため、現在ではそのための幅広い知識が必要とされています。